マツ材線虫病について
明治時代に北米大陸から輸入丸太に付着して媒介昆虫とともに運ばれた侵入病害と考えられます。昭和45年マツノザイセンチュウが発見され、松枯損の原因は材内に侵入する線虫マツノザイセンチュウであることが解明されました。
病害虫が原産地を離れて別の場所に持ち込まれると、抵抗性や天敵がないので大発生、大被害をもたらします。
▼ 松枯れのサイクルとプロセス ▼
松枯れの主役である
マツノザイセンチュウ
は、自分で木から木へ移動する能力をもっていません。運び屋の役をするのは、枯れた松の材内で育った
マツノマダラカミキリ
です。材内で成虫になった後、体内に多数の線虫をかかえて外界へ脱出し、健康な松の若枝をかじりますが、この時に線虫がカミキリから抜け出して松の枝に入り込むのです。線虫に侵された松は衰弱し、樹脂の出が止まってしまいます。
マツノマダラカミキリ
は元来衰弱した松にしか産卵しませんが、体内の卵が成熟するころに松が衰弱して樹脂の出が止まってくるので、うまい具合に産卵でき、孵化した幼虫も育つことが出来きます(ただしこのタイミングがうまく合わない場合は、線虫はいてもカミキリがいない枯れ木が出現する)。つまりこのカミキリは、線虫を運ぶ代償として自分が産卵できる木を用意してもらい、一方マツノザイセンチュウは、カミキリに産卵木を用意する代償として自分を運んでもらうわけです。
このような巧妙な
共生的関係
により、松枯れが起こり広がってゆくのです。
マツ材線虫病の防除法
松枯れ防除をより確実に行う為には、
抜け穴を作らない様にその方法のより高い技術をもって行う
ことや、ただ1つの方法だけでなく
状況に応じた2つ以上の方法を組み合わせる
ことも必要であると考えられます。
松枯れ防除の実際
松枯れの仕組みが解明されその防除方法が考えられているのに、依然松枯れが収まらず猛威を振るっています。これは個人の持ち山等で枯損木が伐倒、駆除等されていない、いわゆる
伝染源が放置されている
ことや侵入病害なので
天敵がいない
ことが大きな原因の1つです。それとともに一生懸命予防や駆除をしていても、そのやり方にどこかに抜け穴があったと考えられます。
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